期限利益の喪失

聞きなれない言葉です「期限の利益の喪失」を簡単に説明いたしますと、再三催告や督促を通知しているにも関わらず、未だ滞納により返済が成されない時、 債務者にいつまでも分割返済の利益を与えていても仕方がありません。
これ以上待っていても支払いが出来ない!と、債権者は判断するしかありません。これを「期限の利益の喪失」と言います。
この場合、債務者は債権者に対して一括して住宅ローンを全額返済しなければなりません。かなり厳しい内容ですが一括返済されない場合、債権者は本腰を入れて今度は「競売手続き」へと進めて行き ます。

代位弁済

「期限の利益の喪失」が届きますと、次に債権者は債務者に対して、住宅ローンの残代金を一括して支払う手はなりません。しかし、それは、むりなお話です。
この時に、住宅ローン保証会社が債務者に代わり全額返済してくれます。これを「代位弁済」と言います。覚えていると思いますが、住宅ローンの融資を受けるときに、その金融機関との間で「金銭消費貸借」とは別 に保証会社との間で「保証契約」という契約を結んでいたことを思いだして下さい。
この保証契約が一括返済する契約です。金融機関が債務者に対して行う融資に対して保証を保証会社へ依頼することが条件になっております。 この保証会社が債権者に対して一括支払いを行います。これを「代位弁済」といいます。
代位弁済が行われたからといって返済義務が消えてなくなる訳では御座いません。保証会社は、代位弁済することによって、「求償権」を持ちます。 要するに、保証会社が「建て替えた金額を返済してください!と、債務者へ請求ができます。今度は保証会社から一括返済を求める通知が届きます。勿論、交渉によっては一括返済ではなく長期分割で返済を認めて貰えることもあります。
また、その住宅ローンの債権は金融機関から保証会社へ譲渡されることになります。*「代位弁済」した場合債権は保証会社から依頼を受けた「債権回収会社」(サービサーといいます)

差し押さえ

滞納が続きますと次に債権者は裁判所へ「不動産差押え」の申し立てへとすすんで参ります。勿論、裁判所は、この申し立はすんなり受理されます。 そして債務者のところへ「不動産競売通知書」なる書類が送られてきます。(特別送達という郵便名で届きます。受け取り拒否は出来ません))
簡単に言いますと、競売の手続きが始まります。というものです。殆どと言っていいほど、相談者様(債務者)この書類を見てから、はじめて、現実の状況に驚き、焦り始めます。
ここまで来ますと競売までの時間がおよそ分かります。逆に言いまうと任意売却による販売期間の時間に制限あるという事になります。この時点で、競売まで4~6ヶ月の猶予はあると考え良いかと思います。

執行官が自宅に来る

不動産競売通知書がご自宅に届きますと、次に、裁判官から命令を受けた執行官が不動産評価をする人(不動産鑑定士等)が必ず訪れて来ます。
          これは、競売に関する「競売物件の資料」を作成するために、記簿ときちんと合っているか?他人の占有者の有無及び占有状況などを調べ、室内に入り各部屋、リビングやキッチンお風呂ベランダ等の写真を撮影致します。勿論、聞き取り調査も行われます。
その後約1~2ヶ月くらいで、ご自宅(競売物件)の競売期間入札決定の通知が届きます。この通知が届いた時点で任意売却に残された時間は実質ないと考えて良いかも知れません。
※期間入札の広告がされますと約1週間後以降に競売物件(ご自宅)の情報がインターネット上に掲載されます。 また、執行官は国が認めておりますので、とても強い力を持っています。
入室を拒否することは当然出来ません!
勿論、留守や居留守をしても執行官は鍵を壊して入室し競売物件の写真を撮影するために入室します。
(嘘でしょっ!本当なのぉ~と言う人もおられますが、本当の本当です!必ず鍵壊して入室します。)
それくらい強い力を持っているのです。執行官の入室を邪魔したり妨害しますと、またまた大変な事態に進みます、そうです、よく耳にします、「公務執行妨害」になり警察官がはいりややこしいことになります。これも本当のお話です。